基礎– tag –
-
損益分岐点とシャットダウン判断 —— 企業がいつ事業を畳むのかをミクロ経済学で読む
業績が悪化した企業について、「いつ赤字に転落するか」「どの売上水準でリストラに踏み切るか」「最終的にいつ事業から撤退するか」をめぐって議論が交わされることがある。これらの問いに、ミクロ経済学はかなり明快な答え方をしている。鍵になる概念が... -
歴史的大暴落の直前 PER —— バブルはどこから始まり、どこで弾けるか
株式市場の歴史を振り返ると、必ず数年に一度、大きな暴落がやってくる。1929年の大恐慌、1970年代のニフティフィフティ崩壊、1987年のブラックマンデー、1989年の日本バブル、2000年のドットコム、2007年のリーマン前夜。これらが起きた直前のバリュエー... -
シラー PE(CAPE)で「長期の割高感」を測る —— 140年のデータが語ること
株式市場の「割高か割安か」を、もっとも長い時間軸で測ろうとした指標が、シラー PE(Shiller PE、別名 CAPE)である。CAPE は Cyclically Adjusted Price-to-Earnings ratio の略で、日本語では「景気循環調整 PER」と訳される。提唱したのはノーベル経... -
PER をプロはどう読むか —— トレーリング・フォワード・継続事業ベースの使い分け
株価の割高・割安を一発で判断したい、というニーズを満たしてきた最古参の指標が PER(株価収益率)だ。Yahoo! ファイナンスでも証券会社のサイトでも、まず最初に目にする数字でもある。 ところが、実務でアナリストやポートフォリオ・マネージャーが見... -
経済統計に潜む3つの落とし穴 —— 数字を信じる前に確認すべきこと
マクロ経済の議論には、必ず数字がついて回る。GDP 成長率が 5%、失業率が 3.6%、インフレ率が 2.4%、というふうに、議論はいつの間にか数字の比較で進む。だが、こうした数字は、想像以上に「定義」と「集計方法」と「改定」に振り回されている。「同じ単... -
「新奇性」という最強のシグナル —— 大化け株を早く見抜くための3類型
株式投資の世界でしばしば語られる経験則の一つに、「Novelty(新奇性)は最強のシグナルである」というものがある。過去の大化け銘柄を振り返ると、そのきっかけは意外なほどシンプルで、「今まで誰も見たことがないもの」が会社のどこかに現れた、という... -
資本蓄積と輸出主導成長 —— なぜ新興国はまず輸出産業を育てるのか
新興国の経済成長戦略を眺めていると、表現は違っても、戦後成功した国はほぼ例外なく「輸出主導成長(Export-Led Growth)」というモデルを採っている。日本、韓国、台湾、シンガポール、中国、ベトナム、いずれも、輸出産業の育成から離陸して、徐々に内... -
雇用統計が株価に効くメカニズム —— NFP が動かす金融市場の連鎖反応
月に一度、第一金曜日の日本時間夜9時半(冬時間は10時半)になると、世界中の投資家が画面に釘付けになる。米国労働省が発表する雇用統計、とりわけ非農業部門雇用者数(NFP)と失業率の数字である。このたった数行の数字に、株・債券・為替のすべてが反... -
世界の株式市場マップ —— 時価総額で見る投資可能ユニバース
国際分散投資をしよう、と思い立ったときに最初にぶつかるのが、「そもそも世界の株式市場は、どれくらいのサイズで、どこにどれくらい偏っているのか」という地図の話である。これが頭に入っていないと、「米国株:日本株:新興国株=3:3:3」のような、... -
外貨準備という命綱 —— 新興国の通貨危機をめぐる経済の防衛線
新興国投資をしばらく続けると、必ず一度は「外貨準備」という単語に行き当たる。普段は意識される機会が少ない指標だが、通貨危機が起きるたびに、相場ニュースの中心に躍り出る。新興国の経済が安全圏にいるのか、それとも危ない領域に近づいているのか...