なぜ、我々はインデックス投資の「その先」へ行こうとするのか。
市場平均は素晴らしい。
S&P500や全世界株式(オルカン)を持っていれば、長期的には資産は増えていくだろう。
それは「正解」だ。
しかし、投資にはもう一つの側面がある。
それは、世界の手触りを感じること。「検証」すること。
そして、誰もまだ気づいていない価値に、自らのリスクでベットすることだ。
効率性の罠
「新興国もETFで買えばいいじゃないか」
誰もがそう言う。確かに、VWOやEEMといったETFは便利だ。クリック一つで新興国全体に分散投資できる。
しかし、ここには「効率性の罠」がある。
インデックスは、その定義上「全て」を買う。
そこには、素晴らしい成長企業も含まれるが、同時に「万年割安の国有企業」や「ガバナンスの効いていない財閥企業」も含まれてしまう。
特にフロンティア市場においては、指数(インデックス)の構成銘柄が必ずしもその国の成長を反映していないことが多い。
旧態依然とした銀行や通信キャリアが指数を占め、本当に伸びている消費財やフィンテック企業はまだ上場していなかったり、指数への寄与度が低かったりする。
「平均を買う」ことは、この非効率な部分もまとめて抱え込むことを意味する。
だからこそ、あえて個別株を選び、腐ったリンゴを避けるプロセスに価値が生まれる。
不便さは「堀」である
私は今、バングラデシュの証券口座を開くために、書類の山と格闘している。
大使館に行き、公証役場に行き、DHLで書類を送り、着金確認に数日を要する。
「非効率だ」「時代遅れだ」と笑うだろうか。
私は逆に、この面倒くささに興奮している。
「不便である」ということは、参入障壁(Moat)だ。
クリック一つで買える市場には、世界中のアルゴリズムと機関投資家の資金が瞬時に流れ込む。
そこでは価格は一瞬で適正化され、歪みは消滅する。
しかし、物理的な書類が必要で、数週間かかる市場には、彼らは入ってこれない。
「面倒くさい」というただ一点において、巨大資本との競争から守られているのだ。
この時間的な堀(Time Moat)の内側で、我々はゆっくりと、割安な宝石を拾うことができる
構造変化を捉える
我々が投資したいのは、単なる「GDPの成長」ではない。
社会の構造が変わる、そのダイナミズムだ。
- 人口ボーナスによる消費の爆発
- アナログからデジタルへの非連続な飛躍
- 腐敗政治からの脱却とガバナンス革命
これらは、ニュースのヘッドラインだけを見ていても分からない。
現地企業の決算書を読み、現地の若者の熱量に触れ、自分の頭で考えた時に初めて見えてくる。
結論:冒険としての投資
このサイトで紹介する投資法は、決して万人に勧められるものではない。
手間がかかり、リスクがあり、何より孤独だ。
しかし、そこには確かな「手作り」の実感がある。
自分の資本が、遠く離れた国の、名前も知らない誰かの生活を変える企業の成長に使われる。
その果実を、リスクのリターンとして受け取る。
それは単なる資産形成を超えた、人生における「冒険」だ。
結果だけの投資がつまらないと感じたら。
ようこそ、フロンティアへ。
【免責事項】
本記事は筆者の個人的な投資哲学を述べたものであり、特定の国や市場への投資を推奨するものではありません。フロンティア市場への投資は高いリスクを伴います。ご自身の判断と責任において行ってください。


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