「銀の弾丸」
通常の弾丸では通用しない吸血鬼や狼男、魔女なども銀の弾丸なら射殺できるとされ、伝説やフィクションの世界で多用される存在。
転じて、通常の手段では対処が厄介な対象を、たった一撃で葬るもの、という比喩表現。
副作用のあるコロナワクチンとか、すごくタイムリーですよね。
でも、世の中、なかなかうまくはいかない。
ところが、多くの方が、こと投資となると、探しはじめてしまうらしいのです。
- たった一年で、資産が何倍にもなる方法を
- 資産が減る可能性を一切考慮せずとも、儲かると確信できる方法を
- 投資にあるはずのない「銀の弾丸」を
どうやったら資産を倍にできますか?
これからの十二ヶ月でどうやったら資産を倍にできますか?
どういうわけか、投資の世界にはこの手の相談が後を絶ちません。
倍にするなんて高望みはしてませんよ!
そうですね。こうならどうでしょう。
年に数百万数千万儲けるひとがいると聞いています。いま 40 万あります。ここから 10 万増やすだけでいいんです!
ちょっとドキッとしたひと、いません?
恥じることはありませんよ。だってこれ、わたしのことですから ……。
投資で儲けるのがどれほど大変か、当時のわたしは知りませんでした。
例えば、わたしはいま、月給で 28 万の給料をいただいています。
中高を無遅刻無欠席で卒業して、大学の 4 年間をまあまあ学業に捧げ、大学院でそれなりに研究に取り組んで修士卒の肩書きを手に入れた先にあるのが、月給 28 万という数字です。
愚直に取り組んで金をなんとかいただける立場になるまで、まるまる 6 年くらいは専門性を高めて来ました。
その結果が、月給 28 万。
クワドラントは違いますが、投資家になったとして、なんで一年やそこらで大金が稼げるようになると妄想していたのでしょう?
とてつもなく無邪気で無知だったなあ、と思わずにはいられません。
まあ、実際のところ、投資に夢があることは事実です。
投資をはじめて半年で 500 万ほどの含み益を得ていた時期があります。
ただし、知識がない「幸運」を手にしたとしても、その「幸運」を自分の手元に留めて置くことがとても難しいのです。
投資で儲けるのはとても簡単だと思うひとが多い。
宝くじを買って毎回当たりがでる、くらいの感覚でいるひとが多いんですね。
いまの給料を得るために、どれだけ努力を費やしているか、自分でわかっていたはずなのに、です。
投資が簡単だ、という妄想
投資は簡単だ、という妄想は、いまからやろうとしていることが何かを「理解」することが唯一の解であることを理解していません。
理解するのは難しいです。
時間も労力もたっぷり必要になります。
でも、投資が簡単だと思うひとの大半は、自分で理解することを忘れて、安易な道を、例えばお得な情報を探しまわってしまいます。
その時に費やした時間と労力と、ひょっとしたらお金の事をも度外視して ……。
(ここを読んでる方がそうでないことを祈ります)
「知識がある」と「理解している」の違い
さて、理解ってなんでしょうね。
次の例を見てみましょう。
- イケダは英語の知識がある
- タオカ氏は英語を理解している
ふたつの文章が意味することは明らかに違うでしょう。
イケダは英語をうまく話せるでしょうか?
あるいは、英語に由来する文法や歴史をたくさん知っているのでしょうか?
はっきりしませんね。
タオカ氏はどうでしょう?
彼は、流暢ではないかもしれませんが、英語を喋れると思って間違いないでしょう。
おなじように、カミガキは投資の知識をたくさん持っているよ、というとき、ひょっとすると投資の雑学が好きなだけかもしれません。
ここで言いたいのは、「知識がある」というのと「理解している」というのとは、質的に大きな隔たりがある、ということです。
じゃあ、どないせいっちゅうねん
自分のやっていることを、深く理解することが成功の鍵であることを自覚するのが、ここでの目的です。
たぶん、自分の知っている範囲にチャンスがたくさん転がっていることが見えてくるのではないかと。
いやいや、具体的にどないすんねん、となること請け合いなので、少しだけ指針をば。
1. 自分がどういう人生観を持っているのかを知る
自営業と公務員とは、お金への向き合い方が、きっと 180 度違うで違うでしょう。
自営業の方なら、キャッシュはあるだけあった方がいいに決まっています。なにせ、今月は儲かったけど来月は ……ということがあるからです。
投資なんて温いことをいうより自分の会社にガンガン投資した方がいいかもしれません。
逆に、公務員であれば、毎月決まった額が入ってくるわけですから、来月の予定が立てやすいでしょう。
ならば、来月必ず入ってくる分の給料をあてに、投資戦略を練るなんてことが可能になるはずです。
その他、そもそも自分はお金持ちになりたいのか。
また、お金持ちになったらどんな生活をしてみたいか、とか、何をすれば幸せになれるのかを考えるとすごく楽になります。
2. 資金管理する
稼ぐ力によって、リスクは異なってきます。
毎月 20 万稼ぐひとと、100 万稼ぐひととでは、100 万円の価値は全く異なってくると思います。
おなじように、自分の資産が 100 万の人と 1,000 万の人とでも、取れるリスクは変わってくるはずです。
ちょうどいい範囲がどのあたりにあるか、自分で探っていく必要があります。
ちなみに、わたしは株:現金・債券:コモディティ=7:1:2 が丁度いい形でした。
また、どの通貨で持っているかにも気を配ったらいいと思います。
例えば、サラリーマンであるわたしは円での給料が保証されているから、ドルを厚めに持つ、とか。
3. 「実践」する
明らかになったところで、少しだけ「実践」する。
日常的な判断、リスクへの不感、慎重さや、胃がきりきりして眠れなくなった日々だとか。
自分が不調なのに、なぜか周りの皆が儲かっている状況だとか。
強欲に負けて、金融業界や、もっと広義的な経済界における輝かしい発見!をつついて大損する、とか。
心理的要因が自分の判断と資産そのものにとてつもない影響を与えることを自覚するんです。
ここまでくれば、ぼんやりと、何が正しくて、何をすると資産がなくなり、どうやったら再現をもって儲かるのかが見えてきます。
例えば、
- 多くのひとがチャートや相対上昇率、移動平均、モメンタムを使って市場の方向を当てようとしています
- 企業の業績、戦略、決算を見て株の売り、買いを判断しようとしています
- 株式市場よりも、中国から仕入れて売り捌いた方が手っ取り早いと考えるひともいます
どちらがいいか、という話ではありません。
わたしの好みは、複利が使える長期保有と決算でした。
あなたは、どれがしっくりきますか?
ただ、これらは自分でやってみないと、わからないのです。
だから、頑張って、自分が何に向いているのか「理解」しようと努め、努めて「実践」して確かめてください。
2021 年某日

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