最近、お金の使い方が下手くそになったと実感しています。
直近一年で覚えている買い物といえば。
- 会社帰りに空飛んだり(=スカイダイビング)するために 45,000 円+宿泊費。経験こそが正義だという価値観なので、なんの葛藤もない
- 金とか銀とかデルタ航空とか、打診買いに 20〜30 万。リスクをとると腹を括っていたので葛藤はゼロ
- VTI のために 100 万円。無知に対するヘッジで、大きく勝ちはしなくとも、大きく負けもしない。なんなら、ポートフォリオの安定に貢献する商品であり、喜びに満ち満ちて快楽すら感じている
洗濯機程度なら、ポンと買える額を右から左に動かしています。
でも、洗濯機が買えない。実は冷蔵庫や電子レンジも買いたくない。
なぜか。
たぶん、社会人になって培った生き方に真っ向から反抗するから。
投資用口座に入っているお金を引き出そうとすると、吐き気がする。
わたしは、社会人が 5 年目になろうとしているいます。
同期の面々は、ある程度欲しいものは買えるとか言っていたりする。
きっと、洗濯機程度、なんの葛藤もなく買えるんでしょう。
でも、わたしには無理なんです。
原因は、お金に色をつけてしまったから ……。
ビットコイン暴落と、社員稼業という発想
きっかけは、2018 年。ビットコインの大暴落。
生活が破綻し、毎月の仕事がカードの返済のためだけに働いていた頃。
いわゆるど底辺にいたとき、真っ先に取り組んだのが家計簿を改善すること。
何かを変えなければ、死ぬしかない。
そんな精神状態で頼ったのは、就活時代に読んだ本からきた言葉でした。
パナソニックを創業した松下幸之助氏による、下記の言葉に依るところが大きいです。
自分は社員稼業というひとつの独立経営体の主人公であり、経営者である。
俗にいう、社員稼業という考え方です。
この「社員稼業」の部分は右に置いておくとして「独立経営体の主人公」という考え方はすごくしっくりきました。
私生活も自分の会社と捉えて、がっつり経営しはじめたわけです。
具体的に家計簿、というより、PLBS を、自分の私生活に適用しはじめました。
簿記を知らずして、どうやって生活改善できようか、という精神で。
メンタル・アカウンティングという発想
PLBS でお金を可視化し始めて数ヶ月。
自分の支出に、ある程度の法則が見えてくるようになりました。
ああ、食費と書籍代はまあまあ。でも、投資の部分が聖域になっているらしい。
どうやら、わたしは、口座のお金を無意識に区分けしているらしいぞ、という気づきです。
いただいたお給料 = 投資資金という発想だったようです。
これは、専門用語で、メンタル・アカウンティングと言います。
人間はお金に色をつけている傾向にあります。
実感としてすごくあるのは、汗水垂らして働いたお金こそに意味がある、という感覚でしょうか。
言葉の根っこの部分にある感情が、まさに、労働 = 価値のあるお金、という感覚がこそ、この言葉の真髄といっていいでしょう。
ビットコインの大暴騰と大暴落の両方を経験することで、奇しくも労働による苦労と、金銭との間には何の相関もないことを、わたしは学習してしまいました。
しかも、若かりし発想で恐縮ですが、ひとと同じようにお金を価値あるものとして捉えていては、お金持ちになることができないとも考えているわけです。
口座を 2 つに分けて、お金に色をつけた
でも、このままの生活をしていたら、生活がままならぬ。冗談でなく、死ぬ。
そこで、このメンタル・アカウンティングを利用することを考えます。
具体的には、口座を二つに分けることで、意図的に色をつけることにしたのです。
今までのわたし
- 投資兼生活口座
今のわたし
- 投資用口座
- 生活用口座
優先順位は圧倒的に投資口座のままです。
変わったのは、給料の中から、生きていける最低限を生活口座に放り込む、という一工程です。
ああ、生活口座に入っているお金は、使ってもいいんだ。
この安心感が、わたしには必要だったんですね。
まあ、はじめは、生活費を低く見積もりすぎて、いろいろ苦労しましたが。
手元の現金が足りなくなり、給料日直後に迎えるカードの支払いに窮したとき。
メルカリでもヤフオクでも使って、不要に買い込んだものを売りに出してぎりぎり繋いでいました。
苦しかった。
お金を支払わないとカード会社は怒りますが、わたし自身はちっとも怒りません。
でも、自分に支払いを済ませなければ、心が悲鳴をあげてしまいます。
このまま一生、誰かのために働き続けるのか、と。
なにより、わたしは、「独立経営体の主人公」です。
自分のビジネスを持たないとは何事か、と自分を奮い立たせて乗り切りました。
振り返ってみると、自分のお金に投資用という色をつけるというのは、なかなか活かした方法だと思います。
リスク資産を持つというのは、お金の伸び縮みする感覚に慣れる必要がある、という意味合いを含んでいます。
投資用口座は、リスクを取る口座。
増やすことを目的にリスクを取っている以上、あてが外れて損をしても、(それほど)心は痛みません。
嬉しいことに、投資用口座から現金を引き出さないでいると、通帳に記載されている数字が本当に数字に見えてくるようになってきます。
そこにある数字が多少増えたり減ったりしても、なんら実生活に影響がない(苦しいまま!)
しかも、そこから現金化した経験が一度もないとなると、いよいよ、投資口座に入っているお金を、お金として見る方が難しくなってくるようです。
投資戦略としての、資金管理
よく、節約だ貯金だなんだ、と巷で見かける節約術の口座を複数持とう、という話はメンタル・アカウンティングを生活知として理解していたからなんですね。
- 生活用口座
- 貯蓄用口座
- 投資用口座
そして、冒頭に戻ります。
わたしはいま、洗濯機を買おうとして、吐き気をもよおしている。
経験にならまだしも、お金を産んでくれないものへの投資は、苦痛が伴います。
(ここまでくると、ちょっと病気を疑った方がいいですね ……)
一度の洗濯で 500 円。一週間に二度は通う日々。
一ヶ月で 4,000 円。一年で 48,000 円。
しかも、コインランドリーに荷物を運ぶ時間、洗濯を待つ時間も費やしています。
どう考えても、合理的な判断が出来ていません。
これはまさに、メンタル・アカウンティングによって合理的な判断が出来ていない事例です。
いまは、直近で大きな買い物をするための貯蓄用口座を準備中です。
そして、今回の学び。
お金に色をつける戦略は、ものすごく有用です。
投資を始めようとして、元本が貯まらないひとにとっての最適解でしょう。
それだけでなく、投資を始めているひとにとって、有用な手段足りえます。
- 長期戦略と短期戦略で別々の口座をつくるとか
- コア・サテライト戦略のための資金管理を仕組み化する、とか
- 株式以外への投資(金・銀・BTC)の購入費を捻出する、とか
投資戦略を立てても、それを実行するのは、並大抵のことではありません。
特に、個別株をいじくりはじめたとき、コアである VTI や債券に投資するのが無茶苦茶難しくなります。
より儲かる方法があるのに、なんで VTI? 何が悲しくて債券? 金とかいま、駄々下がりじゃん!
こんな感じの思考ですね。
多様化は正義です。
超長期的にみるなら、株式に全部突っ込むのが、最適解です。
でも、人間、そう、単純ではありません。
- 株が暴落しているとき、冷静でいられますか?
- 株が暴騰しているとき、買いを我慢できますか?
人間は、数万年前に培った本能で生きています。
時代遅れのハードウェアで、本能に真っ向から対立する株式市場で戦わないといけないのです。
精神力で、どうこうするより、人間の本能を上手く使いこなした方が楽です。
こういう環境作りも、投資戦略の一環。
仕組み化して、合理的な判断ができる自分を獲得してみてはいかがでしょう?
あー洗濯機のリース契約とかないかなあ。
2021 年某日

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