初心の手紙 vol.07 ── リスクってどないとるねん! その1

初心の手紙 vol.07 ─ リスクってどないとるねん! その1

株を始めると、とにかくリスクを分散しましょうという記事が山のように出てくると思います。

大抵の構成はこう。
こんなものがあります、という形で貯蓄(貯金)、株式、債券、投資信託、Jリート。あとなぜか不動産。
で、余剰資金の額と取れるリスクによって投資先を決めましょう、というような記事ですね。

ふざけんな! と。
何もわからんやんけ! と。
リスクってどないとんねん! と。

もしこの記事を読んでくださっているあなたが、まだ投資を始めていないのでしたら、今すぐ 10,000 円を握りしめて VTI を買ってください。
月 10,000 円くらいなら、誰でもできます。言い訳なしです。

リスクは「危険」ではなく「変動値」

投資家のみなさんの脳裏に「リスク取りすぎたかなあ」と心がささやくのは、例えばこんなときだったりしません?

  • 元手 10 万で始めたら、一週間で 20 万になって、もっと買っておけばよかったと後悔して、よし今からでも追加投資しようと考えたりとか
  • 業務や学業をこなしつつも、ちょっと気になってトイレでスマホを覗いてみるとか
  • じわじわっと下がり続ける株価をみて、そらきたこれだナンピンだ! と銀行口座から証券口座にお金を動かしはじめたときとか

恥ずかしくないですよ、別に。
これ全部、わたしがビットコインを始めたときの心の動きそのままですからね。

さて、投資界隈で用いるリスクという言葉には、危険という意味は含まれていません。

リスクとは、ボラティリティ(価格変動)である。

投資家にとって、リスクとは、支配し、管理し、克服すべきものなんです。
そもそも、リスクの語源は、イタリア語のリスカトーレという単語だそうです。
意味は、「勇気をもって前に踏み出す」。
ずいぶんと前向きな言葉ですね。

ところが、投資で大損した! リスクは悪だ! 危険すぎる! というような言葉が聞こえてくる。
投資で大損した、という人は大抵、投資なんてやってないんですね。
赤裸々に体験を語るわたしだって、いま思えば、投資ではなかった。

だから皆さん、リスクを抑えるために分散投資しましょう! となるとまーったく意味がないわけで。
具体的に何をすればいいか、手を動かして解決できるところまで落とし込んでみました。

リスクをコントロールする 3 つの手段

  • 漠然とした不安を潰しきる
  • 複数のアセットを持つ(→効率フロンティアと分散投資)
  • ヘッジをする

今回は、ひとつめの「漠然とした不安を潰しきる」についてみていきます。

1. 漠然とした不安を潰しきる

原因は、まさに自分が、お金の面で漠然とした環境に置かれていることです。
自分のとっているリスクが見える化できていないこと、と言い換えてもいいでしょう。

株式市場に関わる限り、資金は常に揺れ動きます。
大抵、1〜2 パーセント。
たったそれだけ、と思わないでください。
1,000 万円運用すれば、1 パーセント動けば 10 万円です。
コロナショックで 30 パーセント以上暴落したとしたら、300 万が一日で消し飛ぶことになります。

そうなったとき、自分が平静でいられる自信はありますか?
そんな額、持ってないよ!
いいえ、株式市場にお金を置き続ける限り、遅かれ早かれ、必ず到達できる額です。
ですから、資金が数百万である今のうちに、お金に対する不安を潰し込むべきです。

キャッシュフローを確認する ── 数字で 1 年間を見える化

では、どうやって漠然とした不安を消せば良いでしょう?
簡単です。キャッシュフローを確認すれば良いのです(ライフプランも)
数字を書き込んで、自分の 1 年間を見える化するんです。

具体的には、

  • 過去 1 年間を振り返り大きなイベントを書き出していく
  • 掛かった費用を算出して、年間の PLBS を書き出す
  • 自分の、月々の PLBS と付き合わせて、お金の流れを確認する

これによって、下記の二つをはっきりさせることにつながります。

  • 最低限生きていくために必要な金額
  • 自分が快適だなって感じる金額

この二つがはっきりしていれば、漠然とした不安はなくなります。
自分にとって、幸せを感じるために必要なお金の額がはっきりするからです。

沖縄修行僧の話 ── お金で買える幸せの限界に気づく

書き出せたら、行動です。
今まで考えてもみなかったお金の使い方をしてみましょう。

  • 3,000 円の居酒屋の代わりに、30,000 円の高級料亭に言ってみる
  • 10,000 円の時計の代わりに、100,000 円の高級時計を買ってみる
  • 飛行機やホテルのクラスをあげて、500,000 円の旅行に言ってみる、とか

は? 投資の話じゃないの? なんで消費を推奨してるの?
そうおっしゃらないで。
わたしがオススメしているのは、お金を使ったときに感じる幸福の限界に気づいていただきたいのです。

ちなみにわたしは、1 ヶ月の週末と有給その他を組み合わせて、計 10 回、沖縄に旅行に行きました。
それも、毎週といわず、土日をそれぞれ日帰りで往復するくらい、とち狂ってました。

しかも、12 月。
なんで夏じゃないねん、とか思いません?
ところかまわず飛行機に乗りまくる、いわゆる修行僧をやってたからです。

航空業界では、顧客囲い込みのために、たくさん自社の飛行機に乗ってくれた顧客に対する優遇措置を図っています。会員ランクが上がると、ラウンジの利用やチケットの優先手配、上級メンバー専用サポートデスクなど、なかなか嬉しい特典が受けられます。
この会員制度は一年毎の更新で、基準は 1〜12 月で決まります。
その年、そこそこ飛行機に乗っていたわたしは、あとちょっとで上級会員になれると気づいたんですね。11 月に。

はたして、定石である早割ではなく、通常料金で弾丸ツアーとなったわけでした、まる。

12 月の沖縄、4 週間

控えめにいって最高でしたよ、12 月の沖縄。
半袖で過ごせるちょうど良い気温。
観光客があまりいなくて空いてる国際通り。
商店街のおばあちゃんも、お客さんがあまりいないせいか、心なしか親切というおまけ付き。

いろいろ見て回りました。
ぼや騒ぎ後の改修工事?で中がほとんど見れなかった首里城。
地元の家族か修学旅行生らしい中学生(12 月でもいるんですね!)や、幸せいっぱいなカップルを横目に、あーこれがジンベイザメかあって満喫したちゅら海水族館。
ハブとマングースのショーよりも、司会進行を務めてくださる蛇使いのお姉さんが可愛くって目が離せなかったこと。
鍾乳洞が崩れてできたガンガラーの谷で、亜熱帯の森の瑞々しさを味わったり。

ちゃんと、歴史の勉強もしていきましたよ。沖縄大決戦で予習して、平和記念館もひめゆり館にも立ち寄りました。そして、帰りのバスがなくて困った。
18 時くらいには国際通りでしっぽりとステーキを食べ、2 時間くらいお酒でほんわかしてから空港へ。
チェックイン前に必ず、沖縄県民のソウルフード、ポーたまは毎回食べてましたね。
あれはまさに、片手のご馳走だった。

お金で買える幸せの限界 ── iPad と、誰かの手の混ざった景色

やるときは徹底的にやる。
わたしはこのひと月で、あえて旅行にお金を使いました。

ひとによって種々あると思いますが、とにかく一番大切だと思うものに、がつんとお金をかけてみると良いです。
金銭には限りがありますから、二番手、三番手、それ以降のものは買えなくなります。
そうすると、強制的に、支出にメリハリがつく感覚がわかります。

でも、それほどストレスは感じなかった。だって、一番大切なものにお金を使っているんですから。
わたしは、12 月の程よい沖縄の気候に、身も心も安らいだ気分でした。

そして 4 週間目。
土曜日の帰りの飛行機の中でした。
iPad を開いて一日の写真をぼんやりと眺めていて、幸せだなあ、と思いました。
同時に、はっと気づきもしました。

きっと、お金で買える幸せってこの程度なんだな、と。

毎週末で疲れていたとか、明日から会社だとか、そもそも飛行機で 3 時間もすわっているなんて長すぎる、とか、とにかく感情が頭のなかでぐるんぐるんしていた末の、変な気づきだったのですけれど。

お金で出来ることって、大抵、誰かが準備してくれたサービスでしかないんです。
観光地などはまさに、いつかの時代に、誰かが整えてくれたもの。
荘厳だったり、華やかだったりしますが、やはり感動には果てがあります。
ひとの手が入っていないのは車窓を流れる景色くらいで、それなりに絶景なのだけれど、おそらく日本中のどこだか区別がつかないくらいには、日本は綺麗なところだと思う。

めちゃくちゃ欲しかったし、大枚をはたいて買った iPad だって、誰かが必死になって作り上げた商品で、それを彼が売ってくれているから、僕は買えているんだなあ、と。

なんだか解脱みたいなこと書いてますが、このときから、証券口座に置いてるお金が純粋な数字になったんです。

自分の中で、腹落ちさせる

いろいろ書いてますが、要は、自分の中で腹落ちがあれば良いんです。
納得すればいいんです。
お金を何に使っているか。
これからなにに使いたいか。

なにより、いまの生活を維持していけば、少なくともわたしは、幸せを感じることが出来ると確信する。
自分の中で明確にする。支出にメリハリがついて、投資にかけられる金額が見えてくると思います。
そうして、無理に節約するのではなく、それが投資資金だと明瞭にすること。

投資する本人の気持ちとか、意識の点が大きいんです。本当に。

一番のリスクは、自分の感情です。
できるだけ客観的で、冷静に市場を見つめ続けられるよう、自分をコントロールできるよう、自分を訓練しましょう。
そのきっかけとして、財政の見える化や、お金に関わる幸せについて自分なりに納得させてみよう、という話でした。

2021 年某日

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