初心の手紙 vol.09 ── インデックス投資と、人生を買う方法

初心の手紙 vol.09 ─ インデックス投資と、人生を買う方法

インデックス投資をしておけば、ずっと上昇するんだよ。
毎月少しづつ積み上げていけばいいんだよ。
ブログや Youtube を徘徊していると、よく見かける言葉ですよね。
特に、「株式 初心者」などで検索すると、わらわらとのべつ幕なしに出てきますよね。

でも、ちょっと待ってください。これ、本当に正しいんでしょうか?

ある一面では、正しい。──過去 200 年は

過去 200 年間を見返すと、一貫して上昇していますね。
わたしも、少なくともわたしが生きている間は資本主義経済が右肩上がりに成長を続けると思いますし、右肩上がりを続ける全世界株式インデックスの積立投資は有効な戦略のひとつだと思います。

初心者の皆さんにも、強くオススメできる投資法です。
ちょっとづつ購入する機会を分散する、ドルコスト平均法を使って投資すると、安い時に買える素晴らしい方法だと同意します。
値動きになれる、という側面からみても、負けが少ないですから、初心者が投資が人生に与えるインパクトについて学べるという点でも、実に有用な商品です。

いまの環境なら、すぐに儲けがでるかもしれません。
もっと買ってみようかな、なんて思っていただければ嬉しい。これも本心です。

引退日に暴落が来ないと、誰が言える?

でも、ちょっと待ってください。
愚直にお金を積み立てるという戦略だけでは、間違っていることがあるんです。
長期的に投資しろ、というアドバイスは、ある一点について、とてつもない間違いを含んでいます。

あなたが投資を始めて、愚直に積み立ててゆき、徐々に含み益が膨らんでいく。とても良いことですし、わたし自身、そうなってくれることを望んでいます。
ですが。

あなたが今日、まさに引退したその日に、暴落が来ないと言えるひとはどのくらいいらっしゃるでしょうか?

インデックス投資は、あくまでも「市場は長期的に右肩上がりである」ことを前提にしています。
繰り返しになりますが、超長期的にマーケットが右肩上がりであることは、わたしも同意します。
ただし、直近の 10 年は、マーケットに都合が良かったという点を無視してはならないのです。

市場平均(β)と、個人の腕(α)

インデックス投資は、あくまでも相対的にリターンがある投資です。(これを、投資業界の言葉で β と呼びます)
元本がマイナスにならないような、絶対リターンを確保する目的ではないのです。

世の中には、ちゃんと、絶対にマイナスにならない投資法(市場の動きでは説明できない、投資家の腕前によるもの。業界用語で α)があることを承知しているべきです。

市場平均を確保する β。個人の腕前に依存する α。
なんという厨二病の世界 …… !
株式市場は、投資家の自覚しているか無自覚なのかはさておき、この 2 つで構成されています。

そう考えると、市場平均のみに依存する購入方法が、いかに視野の狭い投資方法であるかが、お分かりいただけたでしょうか。

じゃあ、どうしろっていうんですか!
そうですね。時間をかけて勉強しましょう。

お金なんかに興味ないんで、いいです。
ダメです! リスクをとらないのはほんっとうに危険です!

だから、愚直にインデックス投資しますって。

でもでも、日本は当然のことながら、米国だってベビー・ブーマーがリタイア期に差し掛かっているんです。
単純な年齢ピラミッドだけをみても、今後、株式資産が取り崩されていく可能性は十分考えられるんです。
過去 10 年と同じような経済成長が期待できると、保証できるような環境にはないように思えますが ……。

コア・サテライト戦略 ── 太陽と地球

わたしは、ETF を、基本的な戦略として、下記の 2 つを使うことをオススメしています。
(ETF は、簡単に言えば株の詰め合わせです)

コア/サテライト戦略

太陽と地球、あるいは地球と月。
コアとして市場平均の利回りを確保しつつ、サテライトの部分でリスクの高い銘柄をつまんでいく戦略です。

例えば、上昇する確率の高い ETF として、全世界インデックス投資を据える。
それとは別に、サテライトとして、個別銘柄で自分が好きな銘柄を組み入れる。
これによって、市場の上下に振れる動き(ベータ)と投資家の腕(アルファ)をきちんと使い分けるという戦略が自然と取れるようになります。

投資家の腕(アルファ)については、ひとつ興味深い話があります。
個別株の推奨される買い方として、下記のようなルールがあることをご存知ですか?

最高値に近い株を買うべきであり、底値圏の株には手を出さないこと。

この言葉が、確かにそうだわ! となるか。
ええ? 逆じゃね? と思うか。
まさに個人の直感と経験がものをいう世界ですね。

ちなみにこの格言、グロース株(成長株)投資のカリスマ、ウィリアム・オニールが推奨する買い方の一部なんですね。
大体の方の直感は、まるで役にたたないのではないでしょうか?
(少なくとも、わたしの直感は役に立ちませんでした)

カテゴリーの分散 ── 株式以外も視野に

株式以外にも目を向けましょうという話をします。
例えば貴金属。金、銀、ビットコインなどの代替通貨。
あるいは、石油、小麦やトウモロコシなどの現物資産などを合わせてもつ、という発想です。

値動きに相関のない資産を複数組み合わせることで、損失は少なく、リターンの「質」を上げましょう、というものです。

特に金はおすすめです。
金は、下落基調の相場で株をアウトパフォームすることで知られています。
準備資産として 2000 年代中頃から、各国の中央銀行で準備通貨としてのドルから金への切り替えが行われています。

コロナ禍でドルも円もユーロもじゃぶじゃぶ刷られている時代です。お金がたくさん刷られるということは、お金の価値が下がるということに他なりません。相対的に金の価値は、かなり上昇するものと考えられます。

買い方としては ETF がお手軽です。GLD が流通量が高いのでおすすめ。(バリューがついてるから、手数料はややお高めだけど)
ちなみに、専門用語で、投資対象別に考えることをアセットクラスと言います。

脳死しないで投資をしよう

いろいろ書きましたが、要は、脳死しないで、といいたかった。
インデックス投資ばかりを崇拝する感覚はどうなの? と思ったので、こうやって記事を作った次第です。

なにより大切なのは、投資を始めることです。
そして、初めは損することを受け入れましょう。
お金ではなく、お金を投資することで感じる不快な、あるいは快感について、気を配ってください。

投資を始めれば、値動きに慣れないうちは、必ず嫌な気持ちになるものです。
だからこそ、考えましょう。

積み立て投資の設定をして、後は祈るのみ!
そういういうやり方も、方法論としてはあることは否定しません。
ですが、それだと、投資について学べることは、口座の開設方法と、自動的に引き落とされている金額を確認する以外に、何があるでしょう?

投資には、人生を変えるだけでなく、人生を買えるだけの力があるんです!

絶対ぜったい、人生の損にはならない、滅茶苦茶いい経験が買えるはずです!
というわけで、今日はこの辺で。
レッツトライ!

2021 年某日

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